そのままでは損が多い! 相続物件や空き家、土地などご相談ください
不動産を相続した際、そのまま空き家として放置すると損をする可能性があり注意が必要です。
通常、不動産を所有していると多少なりとも価値を有する資産の一部と見なされます。
どんな状態で所有しているかに関係なく、固定資産税の課税対象です。
空き家や空き地も、例外ではありません。
そのため、相続した不動産の使い道がなく放置すると実際には損をする可能性があります。
特に利益を生まない形で所有していると、固定資産税ばかり発生するためです。
もし相続物件を空き家や空き地をそのまま放置しているなら、何らかの対策をとることが賢明です。
相続する前に押さえておきたいこと
■誰がどの遺産を受け継ぐのか
被相続人に残された遺産は、あらかじめ誰が何を受け継ぐのか明確にすることが望まれます。
民法上、被相続人の配偶者である夫もしくは妻は常に法定相続人です。子どもがいる場合、配偶者と子どもが第1順位の相続人に該当します。第2順位になるのは親や祖父母、第3順位は兄弟姉妹です。
それとは別に遺言が残されているときは、記載内容をふまえ相続人が決まります。遺産に借金が含まれる場合、必要な手続きを取れば相続を放棄することも可能です。いずれにしても誰が何を受け継ぐかによって、遺産の行き先も変わります。
逆に相続人が定まらないと、遺産は行き先を失います。被相続人が残した遺産を適切に相続するには、まず誰が何を受け継ぐかはっきりさせることが不可欠です。
■誰にどれだけの遺産を分配するのか
遺産を相続する際は、誰にどれだけ分配するか割合を考えておく必要もあります。
通常、遺産の分配方法は民法上の規定にしたがえば問題ありません。配偶者、子ども、親や祖父母、兄弟姉妹の分配割合は、法定相続人としての順位に応じて定められています。子どもが複数人の場合、実子か養子や認知した子どもかどうかを問わず均等分配が原則です。
民法上の規定と異なる割合で分配するときは、被相続人が遺言を残すか相続人同士で話し合う選択肢があります。法律上、遺言書のなかに分配割合が明記されていると、その記載内容が優先されます。
相続人同士で話し合う場合も、最初に遺言書が残されているか確認しておけば後々に混乱せずに済むでしょう。
■きちんと相続税を支払えるか
遺産を相続するときは、きちんと相続税を支払えるかの確認も怠れません。
相続人は、遺産相続に伴い相続税を課される可能性があります。相続した遺産は相続税の基礎控除を受けられますが、遺産の評価額が基礎控除を上回ると評価額から控除額を除いた残りは課税対象です。
場合によっては、不動産売却により資金調達することになるかもしれません。そんな事態に備えるなら、どんな方法で税金を支払うか検討しておくことも大切です。
相続不動産の売却で課される税金
相続した不動産を売却した際、そこで課される主な税金は以下の4つです。
●譲渡所得税
譲渡所得税は、不動産売却により利益が生じたときに課される税金です。
所得額は、売却額から必要経費を除いた残りを指します。
必要経費には、不動産会社に支払う仲介手数料や売却に伴う譲渡費用が含まれます。
必要経費が売却額を上回り、所得額がマイナスになれば譲渡所得税はかかりません。
●印紙税
印紙税は、不動産の売買契約が成立したとき作成する契約書などに課される税金です。
契約書に貼る収入印紙を購入すると、その購入費が税金に充てられます。
また、印紙税の金額は不動産の売却金額に応じて変わります。
●登録免許税
登録免許税は、不動産の所有権を登記するときや住宅ローンに伴う抵当権を抹消する場合に課される税金です。
抵当権は、ローン返済が滞ったとき金融機関が担保として不動産を競売に出せる権利を指します。
ローンの残る不動産を相続すると抵当権も引き継ぐため、この権利を抹消するには登録免許税の支払いが必要です。
●消費税
消費税は、不動産売却で仲介した不動産会社に仲介手数料などを支払うときに負担する税金です。
不動産の売却代金は、課税対象に含まれません。消費税を含めた仲介手数料の金額は不動産会社や不動産の売却価格により変わりますが、上限額は宅地建物取引業法により規定されています。
相続税対策の方法と効果について
遺産を相続したときの税金対策について、主な方法とその効果をまとめると以下のとおりです。
●不動産売却
空き家や空き地など収益の見込めない不動産は、現金化してから贈与すると納税に備えた準備金に充てられます。
●遺産を現金でなく不動産で相続
遺産は、現金より不動産で相続したほうが相続税の評価額を抑えられます。
●賃貸物件は個人でなく法人として所有
賃貸物件を相続した場合、個人でなく法人として所有したほうが相続税を節約できます。
●相続時精算課税制度を利用して生前贈与
生前贈与で相続時精算課税制度を利用すると贈与時の時価での計算になり、節税効果を見込めます。
●居住用不動産の購入・建築資金を生前贈与
配偶者への居住用不動産の購入・建築資金を生前贈与すると、贈与税に対し配偶者控除の特例が適用されます。
遺産は相続する方法によって節税効果が変わるので、どんな方法が適しているか状況に応じて検討することをおすすめします。
空き家を放っておく問題点とは?
空き家を放っておくと発生する大きな問題点は、「不動産の資産価値が低下する一方で固定資産税は避けられない」ところです。
空き家を放置すると時間の経過とともに劣化が進み、不動産の資産価値は低下します。
老朽化した物件は見た目が悪く、地域の景観を損ねるかもしれません。
虫や悪臭の発生原因にもなり、自然災害で壁や屋根が崩れれば通行人にケガを負わせる危険もあります。
誰も住んでいない家屋には不審者が出入りする可能性があり、犯罪を招く原因です。
管理の目が行き届かないと、火の不始末による火災や放火にもつながります。
さらに管理状況が不適切な不動産は、「特定空家」に指定され固定資産税の負担が重くなるケースも見られます。
相続した不動産に限らず所有物件が遠くにあり管理が難しいときは、何らかの対処方法を検討することが望ましいでしょう。
お手持ちの空き家の最善な処分方法のご提案【その1】
■空き家を建物のまま売却
空き家を処分する方法としては、まず建物を残したまま不動産を売却する選択肢があります。
この方法の大きなメリットは、家屋を取り壊す手間や費用がかからないところです。
買主様が見つかるまでは管理を怠れませんが、空き家はそのままで不動産を購入してもらえれば建物の解体にかかるコストは省けます。
無事に売却できれば、その後は固定資産税が課されません。所有物件を適切に管理できず、何か問題が生じていないか心配する必要もなくなります。
これらの負担から解放されれば、精神的に楽になるでしょう。
お手持ちの空き家の最善な処分方法のご提案【その2】
■建物を解体し更地にして売却
空き家をそのまま残すのが難しい場合、建物を解体し更地にしてから売却する選択肢があります。
老朽化の進んだ空き家は、そのまま残しておくより更地に変えたほうが買主様を見つけやすくなるといわれています。
買主様は、更地を購入すれば空き家のリフォームや処分は不要になり自分の好みに合わせ土地を使えるためです。
空き家を解体する費用は売主様の負担ですが、売却代金を得られれば解体費用を補えます。
ただし、建物の解体を済ませ更地になると、土地に課されていた固定資産税の「住宅用地の特例」は適用が解除されます。
更地は空き家の残る物件より高く売れるケースも見られるため、解体費用を準備できるなら建物は取り壊しておいたほうがよいと考えられます。
空き家の売却で、 最大3,000万円の特別控除が受けられることも!
空き家を相続した場合、一定の条件を満たしたうえで売却すれば譲渡所得税で最大3,000万円の特別控除を受けられることがあります。
最近は全国的に空き家が増える傾向にあり、国ではいろいろ空き家対策を考案しています。
そのひとつが、相続した不動産を売却するときに所定の条件を満たすと譲渡所得税の特別控除が適用される制度です。
適用条件は厳しいといわれていますが譲渡所得税から最大で3,000万円の控除を受けられますので、相続した空き家を売却するなら節税対策の効果は高いと考えられます。